2015年12月20日
ブログ移転のお知らせ
奥野文夫のブログは、
下記に移転いたしました。
http://www.syakaihoken.jp/14490371533850
2018年9月発刊
「社長、あなたの年金、大損してますよ!」はこちら
2017年5月発刊
「現役社長・役員の年金」はこちら
無料メール講座
65歳になる前にこれだけは知っておきたい!!
「現役社長が働きながら年金を受け取るために必要な
基礎知識(全13回)」はこちら↓
http://www.syakaihoken.jp/14429015745400
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Posted by 役員報酬最適化コンサルタント奥野文夫 at
17:22
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2015年12月02日
60歳代社長も知っておきたい70歳以降の年金見込額
中小企業のオーナー経営者の方の場合、60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金がもらえる3か月前頃に初めて年金相談を受ける方も多いようです。
年金請求書が送られてきたタイミングで、年金事務所の年金相談を利用される方も多いと思います。
中小企業のオーナー経営者の場合、65歳以降も、70歳以降も常勤役員としてばりばり働きたいとお考えの方もたくさんいらっしゃいますね。
生涯現役で働くつもりだというお話を伺うこともよくあります。
一般に、年金相談に行かれた場合に、特別支給の老齢厚生年金がもらえる年齢になったときと65歳になったときの年金シミュレーション結果はもらって帰る方が多いと思います。
しかし、70歳になったとき以降の年金シミュレーション結果をもらった経営者の方は少ないのではないでしょうか。
従業員さんと違い、経営者の場合は、65歳以降も引き続き厚生年金に加入した場合に70歳以降の年金がどうなるかも、事前に知っておきたいところではないでしょうか。
何歳まで働くか、何歳で後継者にバトンタッチするか等経営上の重要な判断を行う際にも、重要な情報だと思うのですね。
それが、「65歳からも厚生年金に入った分は無駄にはならないで、70歳以降退職した場合にもらえる老齢厚生年金の額は少しは増えますよ。」位のあいまいな説明を受けたとしても、あまり役に立たないと思います。
70歳以上の年金制度の複雑さ、経営者向けの情報提供料の少なさ、誤解の多さについては、日々経営者の年金受給のご支援をしていて、私(奥野)自身いつもひっかかりを感じているところです。
年金請求書が送られてきたタイミングで、年金事務所の年金相談を利用される方も多いと思います。
中小企業のオーナー経営者の場合、65歳以降も、70歳以降も常勤役員としてばりばり働きたいとお考えの方もたくさんいらっしゃいますね。
生涯現役で働くつもりだというお話を伺うこともよくあります。
一般に、年金相談に行かれた場合に、特別支給の老齢厚生年金がもらえる年齢になったときと65歳になったときの年金シミュレーション結果はもらって帰る方が多いと思います。
しかし、70歳になったとき以降の年金シミュレーション結果をもらった経営者の方は少ないのではないでしょうか。
従業員さんと違い、経営者の場合は、65歳以降も引き続き厚生年金に加入した場合に70歳以降の年金がどうなるかも、事前に知っておきたいところではないでしょうか。
何歳まで働くか、何歳で後継者にバトンタッチするか等経営上の重要な判断を行う際にも、重要な情報だと思うのですね。
それが、「65歳からも厚生年金に入った分は無駄にはならないで、70歳以降退職した場合にもらえる老齢厚生年金の額は少しは増えますよ。」位のあいまいな説明を受けたとしても、あまり役に立たないと思います。
70歳以上の年金制度の複雑さ、経営者向けの情報提供料の少なさ、誤解の多さについては、日々経営者の年金受給のご支援をしていて、私(奥野)自身いつもひっかかりを感じているところです。
2015年11月26日
建設業法の規定に基づく国土交通大臣名の社会保険加入指導書の誤発送
「社会保険加入指導書」という書類が国土交通省の土地・建設産業局建設業課から最近届いた建設業経営者の方もおられると思います。
平成28年1月以降に建設業許可の更新期限を迎える社会保険未加入企業51,400社に対して、平成27年11月に入ってから送付されているようです。
国土交通大臣名の「指導書」の問い合せ先は、国土交通省土地・建設産業局建設業課許可係と記載されていますが、文書のタイトルでインターネット検索いただいて私どものホームページを見つけていただくケースも多いようです。
今回の指導書には、次のようなことも記載されていると思います。
・速やかに保険加入手続きを行うよう、建設業法第41条第1項の規定に基づき指導すること。
・保険未加入の状況が継続される場合には、保険担当部局へ通報することとなり、通報後も保険加入が認められない場合には、行政処分を行うことがあり得ること。
平成27年7月から8月にかけて国土交通省が厚生労働省に照会した結果に基づいて発送されているそうですが、今回は、元々社会保険にきちんと加入している企業に対しても、何故か多くの指導書が誤って発送されてしまったようです。
国土交通省に対して、質問・問合せ・抗議等の電話・FAXが多数入っているようで、11月17日以降、国土交通省のHP上に、原因の説明やQ&Aが掲載されています。
「国土交通省の建設業許可情報と厚生労働省の保有する適用事業所情報を照合した際に行き違いが生じ」たそうです。
元々適法に社会保険に加入されている場合は、問題ありませんのでご安心下さい。
なお、社会保険(健康保険および厚生年金保険)の未加入問題については、業種を問わず大きな問題となっており、厚生労働省では平成27年度から3年間にわたり、国税庁の所有する源泉徴収義務者情報を活用して、強力に指導を行っていくことが公表されています。
建設業の場合は、国土交通省も強力に未加入企業対策を推進しているところです。
また、建設業の場合は、労働保険が労災保険と雇用保険とを別々に加入するという制度になっていることもあってか、雇用保険未加入状態の企業もまだ結構あるようで、健康保険・厚生年金だけでなく雇用保険も併せて指導の対象となっているのが、他の業界の未加入問題と異なる点かもしれません。
Posted by 役員報酬最適化コンサルタント奥野文夫 at
15:26
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2015年11月24日
78歳以上で厚生年金適用事業所の経営者からの老齢厚生年金カットの相談
昭和12年4月1日以前生まれの方(78歳以上の方)で厚生年金適用事業所にお勤めの方の老齢厚生年金が、本年10月1日より大きく変わりました。
9月30日までは報酬額がいくら多くても年金は全額もらえたものが、10月1日から報酬と年金との調整の仕組み(在職老齢年金)の仕組みの対象となりました。
これにより、9月分まで年金が全額もらえた方で、10月以降年金が支給停止(カット)となる方が発生します。
この件については、10月改正時にも情報をお伝えしました。
昭和12年4月1日以前生まれの方についても、10月以降は70歳以上被用者該当届という書類を提出する必要が出てきた
のですが、制度の複雑さもあって、混乱が生じるだろうと思っていましたら、やはり、最近この件についてのお問合せ件数が増えています。
78歳以上の代表取締役様や取締役会長様の老齢厚生年金に関するご相談ですね。
いままでもらえていた年金が、必ず全部カットされてしまってもらえなくなる、と誤解をされてご連絡いただくケースも多いです。
(9月以前から引き続き厚生年金に加入して勤務されている方については、10月1日を境に、急に年金額が減らないように、
一定の「激変緩和措置」というものが適用されることとなっています。)
現在やっと日本年金機構の「周知のお願い」というチラシがネット上でも公表されるようになっていますが、
まだまだ制度改正をご存じない方、誤解して混乱しておられる方が多いと思います。
今回の改正は、共済年金と厚生年金の統合(被用者年金一元化)によるものですが、
公務員や私立学校教職員になったことが一度もない民間企業勤務の方の在職老齢年金にも
影響が発生していることが、あまり知られておらず、わかり難いと思います。
改正後の10月分、11月分の年金は12月15日が支給日です。
12月15日支給の年金が減額されていることで初めて異変に気付かれる方もおられると思います。
該当の役員様で、老齢厚生年金を受け取りたい方はご相談をいただければと思います。
9月30日までは報酬額がいくら多くても年金は全額もらえたものが、10月1日から報酬と年金との調整の仕組み(在職老齢年金)の仕組みの対象となりました。
これにより、9月分まで年金が全額もらえた方で、10月以降年金が支給停止(カット)となる方が発生します。
この件については、10月改正時にも情報をお伝えしました。
昭和12年4月1日以前生まれの方についても、10月以降は70歳以上被用者該当届という書類を提出する必要が出てきた
のですが、制度の複雑さもあって、混乱が生じるだろうと思っていましたら、やはり、最近この件についてのお問合せ件数が増えています。
78歳以上の代表取締役様や取締役会長様の老齢厚生年金に関するご相談ですね。
いままでもらえていた年金が、必ず全部カットされてしまってもらえなくなる、と誤解をされてご連絡いただくケースも多いです。
(9月以前から引き続き厚生年金に加入して勤務されている方については、10月1日を境に、急に年金額が減らないように、
一定の「激変緩和措置」というものが適用されることとなっています。)
現在やっと日本年金機構の「周知のお願い」というチラシがネット上でも公表されるようになっていますが、
まだまだ制度改正をご存じない方、誤解して混乱しておられる方が多いと思います。
今回の改正は、共済年金と厚生年金の統合(被用者年金一元化)によるものですが、
公務員や私立学校教職員になったことが一度もない民間企業勤務の方の在職老齢年金にも
影響が発生していることが、あまり知られておらず、わかり難いと思います。
改正後の10月分、11月分の年金は12月15日が支給日です。
12月15日支給の年金が減額されていることで初めて異変に気付かれる方もおられると思います。
該当の役員様で、老齢厚生年金を受け取りたい方はご相談をいただければと思います。
2015年11月23日
外部からの大量通信で閲覧停止となっていた厚生労働省ホームページが復旧し閲覧可能に
「外部からの大量通信が発生したため」厚生労働省のホームページが平成27年11月21日(土)未明から見られなくなっていました。
連休中に各種の助成金申請書類のダウンロードや資料閲覧を予定されていてお困りであった経営者の方も多いと思います。
しかし、先程復旧したそうで、現在はホームページが閲覧可能となっています。
報道発表資料によると、「今回の事案により、ホームページの改ざんや個人情報を含んだ情報の流出は確認されていません。」
とのことです。
連休中に各種の助成金申請書類のダウンロードや資料閲覧を予定されていてお困りであった経営者の方も多いと思います。
しかし、先程復旧したそうで、現在はホームページが閲覧可能となっています。
報道発表資料によると、「今回の事案により、ホームページの改ざんや個人情報を含んだ情報の流出は確認されていません。」
とのことです。
Posted by 役員報酬最適化コンサルタント奥野文夫 at
18:47
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2015年11月18日
年金不正受給と国民年金法・厚生年金保険法・会計法 不正利得の徴収
「年金不正受給 進まぬ回収
国が1.1億円返還請求
(中略)
不正請求と認定して国が債権として返還請求できる年金額は
12年度が3386万円、13年度が5021万円、14年度が1億1362万円。
3年間で計2億円近くのうち14年度末までに回収できたのは18%にとどまる。
そのうえ、不正受給が分かっても会計法で国が返還請求できるのは過去5年分だけ。
それより前の分は時効で消滅する。今年2月に岐阜県で発覚した約5100万円の不正受給事件
で返還請求できたのは700万円弱だけだった。厚労省は時効で消滅した総額を把握していない
という。」
(以下略)
(以上、平成27年11月13日(金)朝日新聞より引用)
先日、年金についてまたまた驚くべきニュースが報道されていましたね。
不正受給された年金の返還については、国民年金法・厚生年金保険法に定められています。
国民年金法23条(不正利得の徴収)
偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、厚生労働大臣は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
厚生年金保険法40条の2(不正利得の徴収)
偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
厚生年金保険法の条文中で「実施機関」という表現が出てくるのは、平成27年10月1日以降の被用者年金一元化(公務員・私立学校教職員の二階建て年金の厚生年金への統合)の影響ですね。
「第一号厚生年金被保険者」(一般の会社役員や会社社員)に関する事務の実施機関は、厚生労働大臣です。
上記の条文によると、不正受給額全部を徴収することもできることとなっています。
しかし、不正が長年にわたって行われ続けてから発覚した場合ですと、
会計法に定められた時効の規定によって、回収できない部分が出てしまいます。
会計法三十条
金銭の給付を目的とする国の権利で、時効に関し他の法律に規定がないものは、五年間これを行わないときは、時効に因り消滅する。(以下省略)
年金不正受給者に対する対応の仕方について書かれた
「年金給付費を不正に受給した者に関する対応の手引き」という資料があります。
平成24年3月に日本年金機構本部年金給付部給付指導グループ名で書かれた50ページ程の資料です。
不正受給者の定義から、不正受給疑い者の把握、調査の実施の仕方や刑事手続、司法処分等についてまとめられているのですが、その資料の中に、「徴収金及び返納金債権に係る事務」「徴収金及び返納金債権に係る法令等の整理」についてまとめて記載されています。
督促や延滞利息等についてもまとめて記載されています。
この資料を見ていても、不正受給の疑いのある者を把握してから、実際に調査をして、調査結果を検証し実際に不正受給分を徴収するまでには、年金事務所、日本年金機構のブロック本部、日本年金機構本部の各部、所轄警察署、地方厚生(支)局、厚生労働省年金局の連携、書類のやり取り等、なかなか大変な事務作業のようだとわかります。
それにしても、不正受給が5年以上も行われる前にきちんとチェックできるような仕組みを整備しないと大変ですね。
今回報道されている死亡した者の年金の不正受給だけでなく、例えば
調査漏れでまだばれていないものの、役員が不正に資格喪失したり、報酬を低く偽ったり、別法人に報酬を移したりして不正に老齢厚生年金を受けているという相談は多いです。
不正受給をしているという意識のない人もいます。
違法状態をまずきちんと是正すべきこと、それからでないとアドバイスできないことを伝えると、ほとんどはそれ以後相談がありませんが・・・
国が1.1億円返還請求
(中略)
不正請求と認定して国が債権として返還請求できる年金額は
12年度が3386万円、13年度が5021万円、14年度が1億1362万円。
3年間で計2億円近くのうち14年度末までに回収できたのは18%にとどまる。
そのうえ、不正受給が分かっても会計法で国が返還請求できるのは過去5年分だけ。
それより前の分は時効で消滅する。今年2月に岐阜県で発覚した約5100万円の不正受給事件
で返還請求できたのは700万円弱だけだった。厚労省は時効で消滅した総額を把握していない
という。」
(以下略)
(以上、平成27年11月13日(金)朝日新聞より引用)
先日、年金についてまたまた驚くべきニュースが報道されていましたね。
不正受給された年金の返還については、国民年金法・厚生年金保険法に定められています。
国民年金法23条(不正利得の徴収)
偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、厚生労働大臣は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
厚生年金保険法40条の2(不正利得の徴収)
偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
厚生年金保険法の条文中で「実施機関」という表現が出てくるのは、平成27年10月1日以降の被用者年金一元化(公務員・私立学校教職員の二階建て年金の厚生年金への統合)の影響ですね。
「第一号厚生年金被保険者」(一般の会社役員や会社社員)に関する事務の実施機関は、厚生労働大臣です。
上記の条文によると、不正受給額全部を徴収することもできることとなっています。
しかし、不正が長年にわたって行われ続けてから発覚した場合ですと、
会計法に定められた時効の規定によって、回収できない部分が出てしまいます。
会計法三十条
金銭の給付を目的とする国の権利で、時効に関し他の法律に規定がないものは、五年間これを行わないときは、時効に因り消滅する。(以下省略)
年金不正受給者に対する対応の仕方について書かれた
「年金給付費を不正に受給した者に関する対応の手引き」という資料があります。
平成24年3月に日本年金機構本部年金給付部給付指導グループ名で書かれた50ページ程の資料です。
不正受給者の定義から、不正受給疑い者の把握、調査の実施の仕方や刑事手続、司法処分等についてまとめられているのですが、その資料の中に、「徴収金及び返納金債権に係る事務」「徴収金及び返納金債権に係る法令等の整理」についてまとめて記載されています。
督促や延滞利息等についてもまとめて記載されています。
この資料を見ていても、不正受給の疑いのある者を把握してから、実際に調査をして、調査結果を検証し実際に不正受給分を徴収するまでには、年金事務所、日本年金機構のブロック本部、日本年金機構本部の各部、所轄警察署、地方厚生(支)局、厚生労働省年金局の連携、書類のやり取り等、なかなか大変な事務作業のようだとわかります。
それにしても、不正受給が5年以上も行われる前にきちんとチェックできるような仕組みを整備しないと大変ですね。
今回報道されている死亡した者の年金の不正受給だけでなく、例えば
調査漏れでまだばれていないものの、役員が不正に資格喪失したり、報酬を低く偽ったり、別法人に報酬を移したりして不正に老齢厚生年金を受けているという相談は多いです。
不正受給をしているという意識のない人もいます。
違法状態をまずきちんと是正すべきこと、それからでないとアドバイスできないことを伝えると、ほとんどはそれ以後相談がありませんが・・・
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09:30
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2015年11月13日
経営者からの「役員報酬を変更したのに年金が支給されない」との質問への回答
経営者の年金について、時々ご質問をいただくことがあります。
「年金復活プラン」を導入された社長様からも、「年金復活プラン」を導入されていない社長様からもいただくことがある質問です。
特に、一人会社の社長様等からいただくことが多いです。
「年金をもらうために役員報酬を変更して、〇月から年金が支給されると思っていました。しかし、その月の15日になっても年金が支給されませんでした。」というものですね。
原因としては、次のように、色々な可能性が考えられます。
・年金請求書の提出が遅れた
・過去1年間に賞与等の支払いがあった
・月額変更届の提出が漏れていた
このうち、特に役員報酬を4月から変更することとなった会社の役員様の場合は、月額変更届の提出が漏れているケースが結構あります。
報酬月額変更届と毎年7月に提出する報酬月額算定基礎届とを混同されている結果、月額変更届の方の提出が漏れていることもあります。
役員様の場合で、過去何年間も役員報酬額に変動がなかった場合などは発生しやすいかもしれません。
この、4月から報酬変更した役員の月額変更届の提出漏れの場合は、年金が次のような特徴的な支給のされ方をすることとなりますので、ご相談いただきお話を伺うとすぐに原因が判明します。
・年金が支給されると思っていた支給日には年金は支給されない。
・その2か月後の15日に、思っていた金額の半額の年金が支給される。
・さらにその2か月後の15日になって、やっと思っていた金額の年金が支給される。
「年金復活プラン」を導入された社長様からも、「年金復活プラン」を導入されていない社長様からもいただくことがある質問です。
特に、一人会社の社長様等からいただくことが多いです。
「年金をもらうために役員報酬を変更して、〇月から年金が支給されると思っていました。しかし、その月の15日になっても年金が支給されませんでした。」というものですね。
原因としては、次のように、色々な可能性が考えられます。
・年金請求書の提出が遅れた
・過去1年間に賞与等の支払いがあった
・月額変更届の提出が漏れていた
このうち、特に役員報酬を4月から変更することとなった会社の役員様の場合は、月額変更届の提出が漏れているケースが結構あります。
報酬月額変更届と毎年7月に提出する報酬月額算定基礎届とを混同されている結果、月額変更届の方の提出が漏れていることもあります。
役員様の場合で、過去何年間も役員報酬額に変動がなかった場合などは発生しやすいかもしれません。
この、4月から報酬変更した役員の月額変更届の提出漏れの場合は、年金が次のような特徴的な支給のされ方をすることとなりますので、ご相談いただきお話を伺うとすぐに原因が判明します。
・年金が支給されると思っていた支給日には年金は支給されない。
・その2か月後の15日に、思っていた金額の半額の年金が支給される。
・さらにその2か月後の15日になって、やっと思っていた金額の年金が支給される。
2015年11月07日
日本年金機構から届くはがき形式の扶養親族等申告書と老齢年金の源泉徴収・所得控除
障害年金・遺族年金と違い老齢年金は雑所得となりますので、所得税(および復興特別所得税)がかかります。
65歳未満の方の場合は108万円以上、65歳以上の方の場合は158万円以上の老齢年金を受け取られた方が課税対象となります。
日本年金機構が年金を支払う場合に、所得税を源泉徴収するわけですが、源泉徴収の際に各種の所得控除を受けるためには、年金受給者の方があらかじめ「扶養親族等申告書」を提出しておく必要があります。
年金の請求時には年金請求書の扶養親族等申告書欄に記入して提出するのですが、翌年からは毎年今頃日本年金機構から所得税の課税対象となる人に送られてくるハガキ形式の扶養親族等申告書に記入して提出(返送)することとなります。
扶養親族等申告書を提出した人が源泉徴収される額は、次の通りです。
源泉徴収額=(年金支給額-社会保険料-各種控除額)×5.105%
もし、扶養親族等申告書を提出すべきであるのに提出しなかった場合は、次のようになります。
源泉徴収額=(年金支給額-社会保険料)×7.6575パーセント
各種控除額が差し引かれない上に、高い税率で源泉徴収されることとなりますので、ご注意下さい。
平成28年分の扶養親族等申告書は10月下旬より順次発送されているそうです。
ご不明の点がありましたら、日本年金機構の「ねんきんダイヤル」0570-05-1165でも無料で教えてくれます。
ちょうど扶養親族等申告書が届いた今頃は、書き方などを年金事務所に相談に行かれる方が多くなりますので、年金事務所の相談窓口が混雑する傾向があります。
私どもが「年金復活プラン」のご依頼をいただいた複数の経営者の方の年金記録の確認に行った際も、待ち時間が長くかかった結果、その日に予定していた方全員分の確認が完了せず、日を改めて確認に行くことがあります。
今月「年金復活プラン」をご用命いただきます場合は、なるべくお早目にお申込みいただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
Posted by 役員報酬最適化コンサルタント奥野文夫 at
08:40
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2015年10月29日
厚生年金加入逃れ企業への立入検査を日本年金機構が放置していたことが会計検査院調査で判明と報道
今月は、会計検査院の調査結果が色々報道されていましたね。
日本年金機構の関係では、まず、年金機構所有の土地・建物(簿価約15億円相当)が有効活用されていないという問題が報じられていました。
入居者が3年以上いない職員宿舎が7棟(合計170戸)あったとのことですね。
その後、最近次のようなある意味大変衝撃的なニュース報道がされました。
「年金機構、加入逃れ企業検査せず…予告後も放置
日本年金機構が、厚生年金保険への加入逃れの疑いがある中小の事業所に立ち入り検査すると予告しながら、うち6割は3か月以内に実施していなかったことが、会計検査院の調べでわかった。
加入逃れを許せば従業員が老後に厚生年金を受け取れないことになり、検査院は26日、厚生労働省と機構に対し、速やかに立ち入り検査を実施するよう求めた。」
(読売新聞 平成27年10月27日より引用 )
日本年金機構のホームページ上では、「厚生年金保険などの加入の届出を行っていない事業所への取組み(適用調査対象事業所対策)」として、年金事務所職員による重点的な加入指導の実施事業所数と、立入検査を行った結果職員の認定により強制的に加入させた事業所数について、平成24年度の実績が次の通り公表されています。
・重点的な加入指導実施事業所数23,361
・認定による加入手続き事業所数57
今回、全国の年金事務所における平成25年度、平成26年度の立入検査実施状況について会計検査院が調査を行ったところ、本来立入検査を行うべきであるのに実施しないまま放置している例が多くみられたということですね。
平成27年度から3年間は源泉所得税データを用いて強力な厚生年金適用促進を実施すると公表している厚生労働省ですが、前年度までは現場でかなりいいかげんな対応がされていたようですね。
年金財政を悪化させることにつながりますし、従業員がいる場合はその年金受給権を奪うこととなってしまいます。
今年度から3年間で、約80万件の未加入事業所への集中的な加入勧奨・加入指導を行う必要があると言われています。
今回会計検査院に指摘されたことで、今後は、行うべき立入検査がちゃんと行われることとなるでしょうか。
日本年金機構の関係では、まず、年金機構所有の土地・建物(簿価約15億円相当)が有効活用されていないという問題が報じられていました。
入居者が3年以上いない職員宿舎が7棟(合計170戸)あったとのことですね。
その後、最近次のようなある意味大変衝撃的なニュース報道がされました。
「年金機構、加入逃れ企業検査せず…予告後も放置
日本年金機構が、厚生年金保険への加入逃れの疑いがある中小の事業所に立ち入り検査すると予告しながら、うち6割は3か月以内に実施していなかったことが、会計検査院の調べでわかった。
加入逃れを許せば従業員が老後に厚生年金を受け取れないことになり、検査院は26日、厚生労働省と機構に対し、速やかに立ち入り検査を実施するよう求めた。」
(読売新聞 平成27年10月27日より引用 )
日本年金機構のホームページ上では、「厚生年金保険などの加入の届出を行っていない事業所への取組み(適用調査対象事業所対策)」として、年金事務所職員による重点的な加入指導の実施事業所数と、立入検査を行った結果職員の認定により強制的に加入させた事業所数について、平成24年度の実績が次の通り公表されています。
・重点的な加入指導実施事業所数23,361
・認定による加入手続き事業所数57
今回、全国の年金事務所における平成25年度、平成26年度の立入検査実施状況について会計検査院が調査を行ったところ、本来立入検査を行うべきであるのに実施しないまま放置している例が多くみられたということですね。
平成27年度から3年間は源泉所得税データを用いて強力な厚生年金適用促進を実施すると公表している厚生労働省ですが、前年度までは現場でかなりいいかげんな対応がされていたようですね。
年金財政を悪化させることにつながりますし、従業員がいる場合はその年金受給権を奪うこととなってしまいます。
今年度から3年間で、約80万件の未加入事業所への集中的な加入勧奨・加入指導を行う必要があると言われています。
今回会計検査院に指摘されたことで、今後は、行うべき立入検査がちゃんと行われることとなるでしょうか。
Posted by 役員報酬最適化コンサルタント奥野文夫 at
14:08
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2015年10月26日
特別支給の老齢厚生年金受給開始年齢の一人法人社長が会社を解散すると年金・社会保険料は
法人から月額117.5万円以上の役員報酬をもらっている一人法人社長が特別支給の老齢年金をもらえる年齢になって年金と報酬との調整の仕組みを知った時、毎月多額の社会保険料を支払っていながら、年金がもらえないのならいっそのこと法人を解散して個人事業主になろうかと検討される場合があります。
現在加入している社会保険料と、法人解散後に負担すべき国民健康保険料負担との差はどれくらいになるでしょうか。
60歳以上65歳未満で東京都内に会社・住所があり、協会けんぽ(全国健康保険協会)および厚生年金に加入、特別支給の老齢厚生年金の権利が年間120万円発生しており、法人を解散して個人事業主になると国民健康保険料の上限(賦課限度額)を負担することとなる方の場合で考えてみましょう。
(平成27年9月現在の保険料率、保険料額表で計算します。)
(現状のままだと・・・)
・医療保険は健康保険に加入
健康保険料(含介護保険料)は、会社負担・本人負担とも年間約84万円、合計年間約168万円
・年金は厚生年金に加入
厚生年金保険料は、会社負担・本人負担とも年間約66万円、合計年間132万円
・合計社会保険料(会社負担+本人負担)は年間約300万円負担。
一人法人の社長様の場合、会社負担分も本人負担分も結局ご自分が負担しているのと同じような感覚だと思います。
毎年300万円の社会保険料を払っておられますので、負担は大きいですよね。
これだけの社会保険料を毎年負担しながら、65歳までに受ける特別支給の老齢厚生年金は、報酬との調整によって全額支給停止となります。
65歳からの老齢厚生年金も、今のままの報酬設定ですと常勤役員を続ける限り何歳になっても全額支給停止となります。
(法人解散後)
・医療保険は国民健康保険に加入
国民健康保険料の年間上限額は85万円(医療分52万円+後期高齢者支援分17万円+介護納付金分16万円)
60歳を過ぎておられる方は国民年金は強制加入ではありませんから、国民健康保険料のみを負担することとなります。
つまり、
(現状のままだと・・・)法人解散前社会保険料負担年間300万円で特別支給の老齢厚生年金受給額0円
↓
(法人を解散すると・・・)国民健康保険料負担年間85万円で特別支給の老齢厚生年金受給額120万円
このように数字で比較してみると、一人法人社長の場合、老齢年金受給開始年齢前後で法人解散を検討する方が多くおられても不思議ではないですよね。
来年4月からは健康保険の標準報酬月額や標準賞与額の上限が引き上げられますので、特に報酬が高い方の場合、法人から報酬を受けている場合にかかる社会保険料負担はさらに増えることとなります。
また、来年の9月にも厚生年金保険料率がアップすることが既に決定しています。
なお、役員さんの場合は、役員報酬の年間総額を下げなくても、役員報酬の支払い方を変更するだけで社会保険料負担が大きく節減できます。(役員報酬最適化)
上記の、会社負担・本人負担合計で年間300万円社会保険料を負担しなければばらない年収1,410万円以上の役員さんの場合、年収は下げなくても、報酬の支払い方を変更するだけで会社負担・本人合計年間約195万円~約124万円とすることも可能となります。(年間約105万円~約176万円節減)
法人を解散して国民健康保険に加入する場合と比べると負担が大きくはなりますが、報酬の支払い方を工夫することによって法人から報酬を受けたままの状態でも社会保険料負担を現状よりかなり抑えることもできるわけですね。
さらに、年収1,410万円以上で特別支給の老齢厚生年金の権利が年間120万円発生している人の場合、役員報酬の年間総額は下げることなく役員報酬の支払い方を変更するだけで、特別支給の老齢厚生年金を最大約94万円受給することも可能となります。(65歳以降の老齢厚生年金は年齢に関わらず全額受給も可能となります。)
ただし、役員さんの報酬は毎年度決まった時期にしか変更ができないのが原則です。
ちょうど役員報酬の変更ができる時期の会社であればよいですが、そうでない場合は、社会保険料節減効果や年金受給効果が発生するのも先のこととなります。
現在加入している社会保険料と、法人解散後に負担すべき国民健康保険料負担との差はどれくらいになるでしょうか。
60歳以上65歳未満で東京都内に会社・住所があり、協会けんぽ(全国健康保険協会)および厚生年金に加入、特別支給の老齢厚生年金の権利が年間120万円発生しており、法人を解散して個人事業主になると国民健康保険料の上限(賦課限度額)を負担することとなる方の場合で考えてみましょう。
(平成27年9月現在の保険料率、保険料額表で計算します。)
(現状のままだと・・・)
・医療保険は健康保険に加入
健康保険料(含介護保険料)は、会社負担・本人負担とも年間約84万円、合計年間約168万円
・年金は厚生年金に加入
厚生年金保険料は、会社負担・本人負担とも年間約66万円、合計年間132万円
・合計社会保険料(会社負担+本人負担)は年間約300万円負担。
一人法人の社長様の場合、会社負担分も本人負担分も結局ご自分が負担しているのと同じような感覚だと思います。
毎年300万円の社会保険料を払っておられますので、負担は大きいですよね。
これだけの社会保険料を毎年負担しながら、65歳までに受ける特別支給の老齢厚生年金は、報酬との調整によって全額支給停止となります。
65歳からの老齢厚生年金も、今のままの報酬設定ですと常勤役員を続ける限り何歳になっても全額支給停止となります。
(法人解散後)
・医療保険は国民健康保険に加入
国民健康保険料の年間上限額は85万円(医療分52万円+後期高齢者支援分17万円+介護納付金分16万円)
60歳を過ぎておられる方は国民年金は強制加入ではありませんから、国民健康保険料のみを負担することとなります。
つまり、
(現状のままだと・・・)法人解散前社会保険料負担年間300万円で特別支給の老齢厚生年金受給額0円
↓
(法人を解散すると・・・)国民健康保険料負担年間85万円で特別支給の老齢厚生年金受給額120万円
このように数字で比較してみると、一人法人社長の場合、老齢年金受給開始年齢前後で法人解散を検討する方が多くおられても不思議ではないですよね。
来年4月からは健康保険の標準報酬月額や標準賞与額の上限が引き上げられますので、特に報酬が高い方の場合、法人から報酬を受けている場合にかかる社会保険料負担はさらに増えることとなります。
また、来年の9月にも厚生年金保険料率がアップすることが既に決定しています。
なお、役員さんの場合は、役員報酬の年間総額を下げなくても、役員報酬の支払い方を変更するだけで社会保険料負担が大きく節減できます。(役員報酬最適化)
上記の、会社負担・本人負担合計で年間300万円社会保険料を負担しなければばらない年収1,410万円以上の役員さんの場合、年収は下げなくても、報酬の支払い方を変更するだけで会社負担・本人合計年間約195万円~約124万円とすることも可能となります。(年間約105万円~約176万円節減)
法人を解散して国民健康保険に加入する場合と比べると負担が大きくはなりますが、報酬の支払い方を工夫することによって法人から報酬を受けたままの状態でも社会保険料負担を現状よりかなり抑えることもできるわけですね。
さらに、年収1,410万円以上で特別支給の老齢厚生年金の権利が年間120万円発生している人の場合、役員報酬の年間総額は下げることなく役員報酬の支払い方を変更するだけで、特別支給の老齢厚生年金を最大約94万円受給することも可能となります。(65歳以降の老齢厚生年金は年齢に関わらず全額受給も可能となります。)
ただし、役員さんの報酬は毎年度決まった時期にしか変更ができないのが原則です。
ちょうど役員報酬の変更ができる時期の会社であればよいですが、そうでない場合は、社会保険料節減効果や年金受給効果が発生するのも先のこととなります。
Posted by 役員報酬最適化コンサルタント奥野文夫 at
13:33
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