2015年10月29日

厚生年金加入逃れ企業への立入検査を日本年金機構が放置していたことが会計検査院調査で判明と報道

今月は、会計検査院の調査結果が色々報道されていましたね。

日本年金機構の関係では、まず、年金機構所有の土地・建物(簿価約15億円相当)が有効活用されていないという問題が報じられていました。

入居者が3年以上いない職員宿舎が7棟(合計170戸)あったとのことですね。


その後、最近次のようなある意味大変衝撃的なニュース報道がされました。

「年金機構、加入逃れ企業検査せず…予告後も放置

日本年金機構が、厚生年金保険への加入逃れの疑いがある中小の事業所に立ち入り検査すると予告しながら、うち6割は3か月以内に実施していなかったことが、会計検査院の調べでわかった。

加入逃れを許せば従業員が老後に厚生年金を受け取れないことになり、検査院は26日、厚生労働省と機構に対し、速やかに立ち入り検査を実施するよう求めた。」
(読売新聞 平成27年10月27日より引用 )

日本年金機構のホームページ上では、「厚生年金保険などの加入の届出を行っていない事業所への取組み(適用調査対象事業所対策)」として、年金事務所職員による重点的な加入指導の実施事業所数と、立入検査を行った結果職員の認定により強制的に加入させた事業所数について、平成24年度の実績が次の通り公表されています。

・重点的な加入指導実施事業所数23,361
・認定による加入手続き事業所数57

今回、全国の年金事務所における平成25年度、平成26年度の立入検査実施状況について会計検査院が調査を行ったところ、本来立入検査を行うべきであるのに実施しないまま放置している例が多くみられたということですね。

平成27年度から3年間は源泉所得税データを用いて強力な厚生年金適用促進を実施すると公表している厚生労働省ですが、前年度までは現場でかなりいいかげんな対応がされていたようですね。

年金財政を悪化させることにつながりますし、従業員がいる場合はその年金受給権を奪うこととなってしまいます。

今年度から3年間で、約80万件の未加入事業所への集中的な加入勧奨・加入指導を行う必要があると言われています。

今回会計検査院に指摘されたことで、今後は、行うべき立入検査がちゃんと行われることとなるでしょうか。

Posted by 役員報酬最適化コンサルタント奥野文夫 at 14:08│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。